第16章 神と魔の性質の分別
「神と魔の性質の分別」と題されているように、神性と魔性について、クリシュナが説明しています。「魔」の原語は『asura(アシュラ)』でありここでは「束縛へと向かう悪行」を示しています。
あらすじ
クリシュナが「神性」と「魔性」について説いていきます。
神性
- 生と死の繰り返しからの解放へと向かう(非煩悩性の心)
恐れない、純真、智慧ヨガの確立、寄与、自制、祭儀、自己学習、苦行、誠実、傷付けない、正直、怒らない、放棄、寂静、非難しない、生きものを憐む、欲しない、柔和、謙虚、浮つかない、気力充実、寛容、堅固、清潔、敵意を抱かない、見栄を張らない
魔性
- 生と死の繰り返しへの束縛へと向かう(煩悩性の心)
恐れる、不純、無智、与えない、自制しない、祭儀しない、自己学習しない、苦行しない、誠実でない、傷付ける、嘘つき、怒る、放棄しない、騒がしい、非難する、生きものを憐まない、欲する、粗暴、傲慢、浮つく、無気力、寛容でない、薄弱、不潔、敵意を抱く、見栄を張る
さらにクリシュナが、快楽に接近する「愛欲」、苦痛に反発する「怒り」、飽くなき「貪欲」の3種が自己の破滅をもたらし、ますますと下層の地獄へ堕ちることになるから、この3種を捨てるべきであると告げます。
そして、聖典を無視して愛欲のままに振る舞ってはいけない。為すべきことと為すべきではないこと、は聖典を指針としなさいと訓戒します。