第15章 至高の魂
「至高の魂」と題されているように、至高の魂について、クリシュナが説明しています。ここでの「至高の魂」の原語は『puruṣottama(プルショッタマ)』であり「至高の自己、至高者、純粋意識」などを示しています。
あらすじ
クリシュナが、世界には「滅するもの」と「滅しないもの」の2種類があり、自然性による万象は滅するものと言われ、意識性による魂は滅しないものと言われるが、至高の自己とも呼ばれる至高の魂は、このどちらをも超えていると説明します。
至高の魂
自然性による万象
- 分離
- 心:観念(名前・形体)
- 幻影
- 苦痛
- 知らるもの
- 見られるもの
- 常ならざるもの(無常)
- 客体
意識性による魂
- 非分離
- 意識
- 存在
- 至福
- 知るもの
- 見るもの(観照者)
- 常なるもの
- 主体
意識のなかの運動が自然性であり、自然自体に分離(二元性)はなく自然は「1」です。しかしその自然を心を通して意識するとき、そこに多種多様に分離した万象が現れて見えるのです。
主と客、存在と非存在、意識と非意識を超えた純粋なソレが「至高の魂」であり、実際にはすべては「1」なるソレであり、ソレ以外には何も存在していないという訳です。
そして最たる秘密の教えを明示したと言い、これを覚った者は、為すべきことを為した者であり、行きどころに行きついた者であると告げます。