2020-08-??

第15章 至高の魂

バガヴァッド・ギーター:至高者の詩


第15章 解説

「至高の魂」と題されているように、至高の魂について、クリシュナが説明しています。ここでの「至高の魂」の原語は『puruṣottama(プルショッタマ)』であり「至高の自己、至高者、純粋意識」などを示しています。

あらすじ

クリシュナが、世界には「滅するもの」と「滅しないもの」の2種類があり、自然性による万象は滅するものと言われ、意識性による魂は滅しないものと言われるが、至高の自己とも呼ばれる至高の魂は、このどちらをも超えていると説明します。

至高の魂

自然性による万象
  • 分離
  • 心:観念(名前・形体)
  • 幻影
  • 苦痛
  • 知らるもの
  • 見られるもの
  • 常ならざるもの(無常)
  • 客体

意識性による魂
  • 非分離
  • 意識
  • 存在
  • 至福
  • 知るもの
  • 見るもの(観照者)
  • 常なるもの
  • 主体

思考君

解説

意識のなかの運動が自然性であり、自然自体に分離(二元性)はなく自然は「1」です。しかしその自然を心を通して意識するとき、そこに多種多様に分離した万象が現れて見えるのです。


主と客、存在と非存在、意識と非意識を超えた純粋なソレが「至高の魂」であり、実際にはすべては「1」なるソレであり、ソレ以外には何も存在していないという訳です。

そして最たる秘密の教えを明示したと言い、これを覚った者は、為すべきことを為した者であり、行きどころに行きついた者であると告げます。


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