【体位⑦】背面を伸ばす体位
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床上に両脚を棒のように真っ直ぐに揃えて伸ばし、両方の手の人差し指を二本の足指に引っかけ、膝の上に前額をつけてそのままじっとしている。これを背面を伸ばす体位という。
『ハタ・ヨガ・プラディーピカー』
1.背面を伸ばす体位:パシチマターナ・アーサナ
前屈の締付(と前傾)に加え、脊椎周辺(と脚裏)(背面全体)の伸展刺激を強化する体位である。教典にも説かれているように、ハタ・ヨガを代表する体位の一つであろう。
背面を伸ばす体位の意図は、脊椎周辺(背面全体)のバランスを図ることである。また、鋤の体位への準備段階である。
1.準備過程
1.脚を前方へ伸ばして坐る
2.脚は形式通り
3.腕は形式通り
4.顔は形式通り
5.適度に徐々に、息を吸いきる
6.適度に徐々に、息を吐ききる
骨盤を立てて上体を起こそうと意図してはいけません。
腕の位置はやや前方で、すでに背骨は前屈しています。
2.締付過程
7.前屈(吸息)
8.締付の維持(呼吸)
9.締付の強化(3呼吸目)
10.締付の極化(止息)
上体を深く倒そうと意図してはいけません。
無意図に締付しやすい上体の位置を見つけましょう。
11.体位の返戻(呼息)
3.脱力過程
12.体位の解放(吸息)
13.脱力の強化(呼吸)
14.締付の極化(止息)
15.休息する
無意図に落ち着く姿勢を見つけましょう。
過誤体位
注意
一般的な形体のように額を膝に、胸を脚につけようなどと、頭や上体の降下(前傾)を意図すれば、前屈するための筋力とぶつかり合うため締付は極まらない(脚の刺激を意図した結果として前傾するだけである)。また、上体が深く前傾しているにもかかわらず腕が前方へ伸びていては、前屈をするための筋力とぶつかり合うので、腕の形体、位置などを工夫すること。
無駄を取り除いた、無理のない体位を修習していきましょう。