アーユルヴェーダ講座1
古代インド医学は、現在日本ではアーユルヴェーダと呼ばれて知られている。原語である『āyurveda』は、「生命、命」などを示す『āyur』と、「真の知識、科学」などを示す『veda』とからなり、それは「生命を守る知識、聖なる知識」などを示している。一般的には、「生命の知識、生命の科学」などと訳されている。
三性質:トリドーシャ
アーユルヴェーダにおいて、人体に作用する「運動力」「変換力」「結合力」の3つの性質を示している。原語は『vatha』『pitha』『kapha』であり、それぞれの語源は「知る、動く、取る」「燃やす、温める、統べる」「結びつく、接する、抱える」である。一般的には「風の要素、風質、ヴァータ(ワータ)」「火の要素、胆汁質、ピッタ」「水の要素、粘液質、カパ(カファ)」などとも訳されている。
- 運動力 …… 物質を運動させる働き
- 変換力 …… 物質を変換させる働き
- 結合力 …… 物質を結合させる働き
これらの三性質が調和している状態が健康とされ、それぞれの性質に傾いている体質を、運動体質、変換体質、結合体質としている。
適食等
健康な人は、6つの味(苦味、渋味、辛味、酸味、塩味、甘味)全てを含む、性質(重量性/軽量性、清涼性/温熱性、油脂性/乾燥性、遅鈍性/鋭敏性、停滞性/激動性、柔軟性、強硬性、粘稠性/純粋性、平滑性/粗雑性、粗大性/微細性、固形性/流動性)の調和均衡のとれた適量の食事をするべきであり、温かく新鮮な食物を、よい同伴者と一緒に、適切な時間帯に摂取するのがよいとされる。以下、参考程度に。
運動体質 | 変換体質 | 結合体質 | |
味覚 | 甘味、酸味、塩味 | 甘味、苦味、渋味 | 辛味、苦味、渋味 |
性質 | 重量性、油脂性、温熱性 | 重量性、純粋性、清涼性 | 軽量性、乾燥性、温熱性 |
熱量 | 高カロリー | 高カロリー | 低カロリー |
薬物 | 油 | ギー(純粋な乳脂肪) | 蜂蜜(非加熱) |
治療 | 浣腸法(整腸) | 催下法(排便) | 催吐法(嘔吐) |
気質 | 激動質 | 純粋質 | 停滞質 |
便質 | 硬便、便秘 | 快便 | 軟便、下痢 |
無駄を取り除いた、無理のない食事を摂取しましょう。
参考にした文献