2020-07-02

2020-05-15

第4章 花

ダンマパダ:真理の言葉


44

誰が、この大地、死者の世界、この神々とともに暮らす世界を征服するであろうか? 巧みな者が花を摘みとるように、誰が善く説かれた真理の言葉を摘みとるであろうか? 

45

(真理を)学ぶ者(こそ)が、大地、死者の世界、この神々とともに暮らす世界を征服するであろう。(真理を)学ぶ者(こそ)が、巧みな者が花を摘みとるように、善く説かれた真理の言葉を摘みとるであろう。

46

この身体は、(現れてはすぐに消えさる)泡のようであると知り、(実際には存在しない)蜃気楼のような性質であるとよく覚った者は、悪魔の花の矢(である3つの世界での生存)を断ち、死王には見えないところへ行くであろう。

47

ちょうど花を摘んでいるように(目の前の楽しみに)心意が執着している者を、眠った村を奪いさる大洪水のように、死神が奪いさっていく。

48

ちょうど花を摘んでいるように(目の前の楽しみに)心意が執着し、決して愛欲のなかで満足しない者を、死神は自在に(支配)する。

49

花の色香を害することなく、花蜜をとって飛びさるミツバチのように、聖者は村に向かう。

50

他者の過失ではなく、他者のしたこと、しなかったことではなく、自分のしたこと、しなかったことこそ観察するべきである。

51

煌びやかな花にも、美しい実が成らないものがあるように、善く説かれた言葉でも、(それを)実践しない者にとっては成果はない。

52

煌びやかな花にも、美しい実が成るものがあるように、善く説かれた言葉は、(それを)実践する者にとってこそ成果がある。

53

多くの花の集まりから、花飾りを作るように、生まれて死ぬべき者は、多くの善いこと行うべきである。(多くの善いことの集まりによって、その人生を飾りたてよ。)

54

花の香りは、センダンでも、タガラでも、ジャスミンでも、風に逆らっては行きわたらない。しかし善人の香りは、すべての方向に香りを放ち、風に逆らっても行きわたる。

55

センダン、タガラ、ショウレンゲ、ジャスミン、これら香りを生むもののなかでも、徳行の香りが最上である。

56

このタガラ、センダンの香りは微かであるが、徳行を備えた者の香りは最高であり、天国までも香る。

57

徳行を実践し、汚れた心意を放っておかない生活する者たちの、正しい完全智によって解脱した者の(歩んだ)道を、悪魔は理解しない。

58・59

道ばたに捨てられたゴミ溜めに、清浄な香りのハスが生じて心意を喜ばせるように、

そのようにゴミ溜めのような生きもののなかで、無知な凡夫のなかで、正しい平等智に目覚めた者の弟子は智慧によって光輝く。


第4章 解説

「花」と題されているように、ブッダが説いた言葉の中から「花を説明に用いたもの」を主に取り上げています。内容に一貫性はありません。

要点
真理に適った徳行を実践し、3つの煩悩「貪愛、憎悪、誤謬」を取り除く努力をすることは素晴らしいから、とにかく徳行を実践していきなさいと言ったところでしょう。

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