2020-01-08

2012-05-06

トラウマ

気ままの雑記から習う

昨日5月5日は立夏です。つまりもう二十四節気での夏に入ったということです。ゴールデンウィークも最終日、みなさま楽しい休日をお過ごしでしたでしょうか? 尾山広平です。

春の間にゆるんだ骨盤も、ここからは締まっていきますが、春の間にも心身の緊張が続いていた人(新社会人など)は、ここから急にテンションが下がったりします。いわゆる5月病です。そんときは無理せず心も体もゆっくりと休ませてあげましょう。

さて今回は、”トラウマ”についてのお話をしたいと思います。

トラウマとは!?

今では一般化した「トラウマ」という言葉は、心身の働きに影響を及ぼし続ける体験のことを意味するようになりましたが、もともとは心的外傷を意味する心理学用語です。トラウマは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といわれる反応を引き起こすため、それが生活に様々な支障をきたすことになります。

この反応がどうして引き起こされるかといえば、頭(脳)の学習による働きといえそうです。災害、事故、暴力など生命危機だと頭が認識した体験をすれば、頭としては生命を守るために、今後は同じような出来事に「瞬時に対応するため」の行動指針プログラムを作成します。このプログラムの働きが生活に支障をきたすほどの反応を引き起こすことになるのがPTSDであると考えられます。

行動指針プログラム

ハチとツツジ

ブンブンと音がすればとっさに避けたり、ゴキブリを見て悲鳴を上げたり、手を振りかざされたら思わず身をすくめたり、身構えたりするのも行動指針プログラムが働くからであり、それはPTSDもまったく同じメカニズムが働いていると考えられます。ここでもお話をしてきたように、これらの「学習したことを自動化する」という働きのおかげで、立ったり、歩いたり、言葉を理解したりと、私たちは日常生活をなんなく過ごせているわけであり、頭の言い分としては「当然の働きをしたまでなんですよ。」ということになります。

作成したその時点では必要だったプログラムも、時が経てば不必要(不都合)になるものも多くあり、プログラムを見直し、削除することが、ヨガの修行の本質であるというお話もこれまでにしてきましたが、不必要なプログラム反応の極端な例がトラウマから来るPTSDだといえるでしょう。それはつまりPTSD治療の本質も修行と同じだと考えられるということです。

プログラムを削除する事は、ヨガ修行の本質ではないのじゃ。修習と離欲を実践しているその過程の中で、自ずとプログラムは削除されてゆくだけなのじゃ。ヨガ修行の本質は、心の作用との自己同一化を弁別する事にあるのじゃ。

2020/01/08

無意識的な働き

氷山の一角

プログラムとは瞬時に対応するための自動反応であり、それは無意識的(無自覚的)な働きです。無意識的とは、思考君(電気的、生化学的信号)が脳内の神経回路を通っても、それを意識することはできないということです。逆に意識的(自覚的、理性的)とは、思考君がどう動いているかを意識することができるということです。私たちが意識できる部分は氷山の一角と表現されるほどにわずかであり、その意識できる働きでさへもそのほとんどは、無意識的な働きから起こっているのでしょう。

私たちは誰もが、無意識にコントロールされているというほどに、学習してきたことを心の奥(無意識)で働かせ、日常生活を過ごしているのです。そしてそのプログラムに不都合が起きることが、PTSDを含め心の病の原因であり、またそれだけでなく「生きづらさ」の原因でもあると考えられるのです。


新緑

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