2012-05-24

緊張(1)

気ままの雑記から習う

先日の金環日食は、滅多にお目にかかれない貴重なイベントとなり、みなさまも感動されたことと思いますが、いかがお過ごしでしょうか? 尾山広平です。

このような珍しい現象を観察できる世界に生きていることは、ワクワクと楽しく、感動もし、とてもありがたいことだと思います。しかし、金環日食も毎日起きているとなると、感動からは遠ざかり、何のありがたみもなくなります。逆を返せば、誰でも初めはすべてが珍しく、生きていることに対し大感動を味わいワクワクと楽しんでいたのです。そして修行をすればこの状態に戻ることができます。

さて今回は、”緊張”についてのお話をしたいと思います。

自分を守る働き

緊張を生理学的に説明すると、「筋肉が収縮状態のとき」となります。この筋肉の収縮状態の「慢性化」が、数々の症状や病気を生み出す原因の一つであると考えられます。つまり多くの心理的療法や身体的療法も、この慢性的な筋肉の緊張を解くためにあるともいえそうです。ではなぜ慢性的な緊張が起こるのでしょうか?

頭(脳)が意識的にも無意識的にでも「危険」と認識すれば、身体君がすぐにも闘争、逃走、もしくは凍結するなど、行動するための準備をするよう、頭は身体君に指令をだします。その指令を受けた身体君は、エネルギーを瞬時に生み出し蓄えると同時に、そのエネルギーを効率よく使えるような臨戦態勢になります。この状態が緊張です。つまり緊張とは「エネルギーが溜まった状態のとき」とも表現できま、身体君が自分を守ろる働きを持続することが、慢性的に筋肉が緊張する原因の一つと考えられます。

無意識による働き

危険

無意識的に「危険」を認識するとは、生後の経験から作られたプログラム的な働きです(本能的な働きもあるかと思いますが)。高所に立つと足が震えるとか、雷が鳴ると身を屈めるとか、寒さで身震いするとか(これは本能的ですかね)、多くの人の前や女の子の前でアガルとか、テンションがアガルとか、ゴキブリが出てきて飛び退くとか、バカにされて怒るとかいうのが、プログラム的な働きです。

意識が認識する前に、無意識が「危険(不幸になる)」と認識したため、プログラムが起動し、どうにかするためのエネルギーを瞬時に生み出し、アガル、テンションがアガル、飛び退く、怒るなどの行動をとりエネルギーを使います。

抑圧される未処理のエネルギー

黄色点滅信号

頭が「危険」と認識したその瞬間、身体君は自分を守るためにエネルギーを瞬時に生み出しますが、このエネルギーを処理(使用)する働きを「抑制する」という場合があります。すると未処理のエネルギーが残り、身体君は筋肉を緊張させたままの状態を持続すると考えられます。そして、その信号(筋肉の緊張)を受信した頭(無意識)の方もまた、自分を守る働きをさせるための信号を、身体君に発信しつづけます。例えていえば、頭はこのとき黄色点滅信号を発信していて、何かあればすぐに赤信号を発信して臨戦態勢になれるような警戒態勢でいると考えられます。

前回でお話した、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、このような警戒態勢にあるのかもしれません。災害、事故、暴力などの生命危機的体験から[火→危険][血→危険][手を上げる→危険]などと関連付け(プログラムの作成)をし、たとえば[火→危険]と関連付られると、「火」をトリガー(引き金)として敏感に反応し、すぐさま赤信号を発信し、体験時と同じように臨戦態勢になり、そのとき感じた不安感や、苛立ち、怒り、無力感などを再び感じることになるのです。

文章が長くなりましたので、ここで区切ります。元気なみなさまも、ストレス(エネルギー)は溜め込まずに発散(処理)しましょう!


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