2013-10-29

背骨

気ままの雑記から習う

背骨

背骨の役割と構造

1.力の通り道

S字湾曲

背骨は脊柱といわれるとおり、頭部を含め上半身を支える大黒柱的な役割をしていると考えられます。ただし一本の直線状の骨ではなく、24個の骨がつながることで前後のS字状に湾曲した構造をしています。

ヒトが直立しているとき、骨盤を土台として24個の骨(椎骨)が積み上がり、その最上部に頭蓋骨が乗ることになります。湾曲している理由の一つとして考えられるのは、下部へと流れていく上半身の重みをバネのように分散・吸収することで、下部への負担を軽減することです。

下部であるほど圧力は大きくなりますが、この分散により最も圧力のかかる骨盤(仙骨)への負担も軽減することになります。また、地面から上部へと流れていく力も分散・吸収することで、主に脳への直撃を緩衝することにもなると考えられます。

椎間板

椎骨と椎骨の間にはクッション性のある椎間板があり、それにより背骨はバネのように力を分散・吸収することができると同時に、椎骨一つひとつが滑らかに傾くことができます。

背骨はまた、神経の束である脊髄を守る役割を果たしています。

2.神経の通り道

 脳・脊髄

背骨の空洞の中を、神経の束である脊髄が通っています。脊髄からは脊髄神経が出ており、血管、内臓、筋肉……身体各部へとつながっています。脊髄は、脳~身体各部/身体各部~脳への情報伝達を経由する役割をしていると考えられています。

また、各器官の働きを制御している自律神経系の中枢は、間脳の視床下部にあります。ここから出された情報もやはり、中脳、延髄、そして脊髄を通して身体各器官に伝えられています。

脳についてはこちら

雑記46


背骨  まとめ

姿勢を調える基本は、背骨一つひとつに最も負担のかからないS字湾曲を作ることあり、そのためには土台となる骨盤の角度調整が要となります。姿勢を整えることは、重力に逆らわず重力と調和する状態にすることといえ、それは心身に安定と快適をもたらすのです。

ヒトが生命力を発揮するための基本は、脳と身体各部の相互情報伝達がスムーズにいくことであり、そのためには中心経路となる脊髄を通る情報が滞っていないことが大切です。ストレスにより脳・脊髄を含む神経系が興奮していると、脳から身体各部への情報の流れが滞ると考えられます。

ストレス:

爬虫類脳は危険に対処するため、逃走/闘争するためのエネルギーを生み出します。そのエネルギーを抑圧すると本能的な働きが未完了となり、神経系は興奮したまま(爬虫類脳から警戒信号が送信され続ける)、筋肉も緊張したままとなると考えられます。

ハタヨガのポーズは背骨(脊髄)を重視しており、そこがストレッチなどのエクササイズとの分かりやすい違いといえるでしょう。


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