2012-08-10
睡眠
ご無沙汰しています。暑い季節真っ盛りの今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか、尾山広平です。
この時季だけに言えたことではありませんが、胸の開放感を育み、熱を含めストレスの発散を促し、暑苦しさや、もんもんとした気分を吹き飛ばし、よりいっそう心身を爽快にしていきましょう。
さて、寝苦しい暑い夜もあるこの時季ですが、今回は、”睡眠”についてのお話をしたいと思います。
頭の中の片づけ作業
朝起きて、夜眠りにつくまでの間に、頭の中には様々な情報が入力されていきます。その膨大な情報がそのままでは、思考君は、思考作業を効率よく行うことができなくなります。ですから思考君は、これらの情報を片付ける作業をする必要があります。
そして、頭はその片づけ作業を、眠っている間に行っています。必要な情報を記憶し、不必要な情報を削除し、懸案情報(未解決の問題)は記憶しつつも、真っ先に引き出せる場所に置いておきます。
眼球運動
睡眠中、頭はいつでも片づけ作業をしているわけではありません。頭が片づけ作業をしているのは「レム睡眠」と呼ばれている時間帯だと考えられます。REM(rapid eye movement)の言葉が示す通り、このとき眼球が素早く動き回っている状態です。90分おきに、15分~30分ほど、この状態がおとずれると言われています。
この眼球を動かすことによって、頭は片付け作業の効率化を図っていると考えられます。緊張(3)でご紹介したEMDR(眼球運動による脱感作および再処理法)という心理療法は、このレム睡眠時の眼球運動と同じ理屈による、頭の中の片づけ作業だと考えることができます。
寝相
眼球運動だけではなく、身体君を動かすことで、一日に溜め込んだストレス(エネルギー)の発散を促し、頭の中の片づけ作業の効率化を図っていると考えられます。それが寝相として現れているということです。
腕をバンザイしたり、おでこの上にのせたりする人は、特に肩・首周りにストレスを溜めたとか、大の字で寝る人は、特に骨盤底部にストレスを溜めたとか、枕を抱きかかえて寝る人は、特に胸部にストレスを溜めたとか……エネルギーが溜まりやすい(緊張しやすい)部位は人それぞれといえ、その状態に合わせて寝相も変化するということです。
寝相をコントロールしようとせずに、身体君がとりたがっている姿勢に任せることが大切です。
身体君の修復、調整
朝起きて活動を始め、夜眠りにつくまでの間は、思考君がアレコレ、アレコレ、身体君もセッセ、セッセと活動をしています。そんなときエネルギーは、主に思考や行動などと、活動することに注がれています。逆に、頭の働きも、身体君の働きも静まったときには、エネルギーは主に、身体君の修復、調整作業に注ぎます。
身体君は、頭が活動しているレム睡眠ではない(ノンレム睡眠)ときに、自己の修復・調整作業を行っているようです。
睡眠時間は人それぞれ
睡眠時間はどれくらいが理想的なのか? というお話が議論されることもありますが、それは生活の仕方や、年齢、体質(主に骨盤のタイプ)などに左右されることでしょう。
一日の中で、頭の中にたくさんの情報を入れている人ほど、レム睡眠は必要です。一日の中で、身体君をたくさん使って疲弊させている人ほど、ノンレム睡眠が必要です。また、子どもは新しい体験をたくさんするため、片づける必要がある情報量が、大人に比べて多くなります。ですから、それらを片付けるためのレム睡眠が必要です。それに加えて、身体君を成長させていくためには、ノンレム睡眠も必要です。
大人も子供も、夜は活動を停止し、スッキリと目覚められる睡眠をすることが、次の日を、そして人生を、より心地いいモノにしていくはずです。