2012-03-09

部分と全体

気ままの雑記から習う

日の出も刻々と早くなり、日中は暖かく、春らしい恰好をしている人も見かけるようになりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。尾山広平です。

この時季は、汗や尿や便の外に、くしゃみや鼻水や涙なども通して、体内にため込んでいる不必要なものを、体外に排泄する時季なのかもしれません。左側の骨盤や肩甲骨の周りがうまくゆるんでいくと、体内の大掃除もはかどることでしょう。

さて先日は久しぶりに、いつもお世話になっているCAFE&建築工房の「遊眠堂(ゆうみんどう)」さんの木育ワークショップに参加してきました。ということで今回は、そこで感じた”部分と全体”についてのお話をしたいと思います。

連鎖している

このワークショップでは、「木」のことを学び、「木」を生活の中に取り入れましょうという趣旨で木の小物を作ったり、ウッドデッキを作ったりしてきました。今年のテーマは「とりあえず実際に使ってみましょう!」ということだそうです。今回は親子での参加者もいらっっしゃり、ミニ勉強会と鏡のついた小物を作りました。

ウッドデッキ作りの様子はこちら

雑記2

杉を植林した山

60年ほど前、日本人は山の木を伐採し、たくさんの杉の木を植えつけていきました。何十年後には立派に育ち、その木材が家を建てるのに役立つことだろうと。そして今……。

日本の経済事情は、この60年の間に大きく変わっていきました。家を建てるのにあまり木材を使用しなくなっていったことに加え、外国産の木材が安く入手できるようになっていきました。日本人は日本の木を使わなくなっていったのです。つまり60年前に植えつけていったたくさんの杉の木が、現在では使われなくなったということです。そしてそのことが、私たちの生活にも影響を及ぼしているようです。

植林による影響

① 林業の廃退

木の需要が少なくなっているので、木を育てる仕事だけでは、十分な生活費や、木々を手入れするための費用を得ることができません。林業を営む人は少なくなっていきます。

② 山の荒廃

杉の木は、密集していると育たないので、間引きをしながら育てていくそうです。ですから間引きをしないと、細い杉の木がビッシリと密集した状態になります。そうなると、日の光が地面まで届かなくなります。すると他の植物も少なくなります。すると動物も少なくなります。すると土の養分も少なくなります。

③川の荒廃

養分の少ない土を通って流れてくる水にも養分は少なくなります。養分を取り入れることで生きている植物や動物などが少なくなります。

④海の荒廃

養分の少ない川を通って流れてくる水にも養分は少なくなります。養分を取り入れることで生きている植物や動物などが少なくなります。

ヒトツナガリ

もちろんこれらの連鎖に加えて、「食物連鎖」もあります。そして十分に根の張っていない土は硬くなり、土砂崩れの原因にもなるというお話です。

人の頭は、ある出来事を①②③④……などと順序立て、分けて考えます。しかしすべてはヒトツナガリになっていて、それは「1つ」の出来事とも解釈できます。たとえ人の頭が「大したことのない小さなこと」と認識していようが、それに見合った全体に影響が及ぶことでしょう。部分は全体を動かし、全体は部分を動かしていて、部分と全体は相互に依存しあい「一つ」の動きを生み出しているのでしょう。それはつまり、私たち(部分)が今この瞬間発しているエネルギー(行動や言動、つまりは心の働き)が、宇宙全体を動かしているとも考えられる、ということなのです。

地産地消は、心地いい?

新玉ねぎ

遊眠堂さんは、「だから国産材を使いましょう!!」と押し付けているのではありません。自分たちの風土(その土地の気候・地形・地質などのの自然環境)で育った木を生活の中に取り入れることは、とても心地がいいですよ。「だから国産材を使ってみてはいかがですか!?」と勧めているのです。このことは木だけに当てはまることではなく、私たちが生きていくのに欠かせない、今吸い込んでいる空気、毎日いただいているであろう食べ物にも当てはまることかもしれません。

私たちの身体君は、自然環境とも密接にツナガリながら、絶妙なバランスをとることで生きているのでしょう。つまり身体君と自然環境とはヒトツナガリであり、「一つ」と解釈できますから、その土地で育ったエネルギー(水、植物、微生物やウイルスを含めた動物……すべて)、その季節に育ったエネルギーを、生活の中に取り入れることは、身体君がそのときに必要としているエネルギーを受け取ることになると考えることができます。そして、必要なエネルギーを受け取っているとき、私たちは「心地よさ」を感じるように創られています。

私たち一人ひとりが「心地いいエネルギー」を発していることは、宇宙全体をどう動かしていくのでしょう。


しだれ梅@名古屋市農業センター

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