2016-12-11

溜め息

気ままの雑記から習う
犬の溜め息

子供の頃、我が家に居たキャバリア犬も、上の絵のような姿勢になったりすると鼻から「ふっーん」なんて、溜め息を漏らしていた覚えがあります。

「溜め息をつくと幸せが逃げる」などと、あまり良い印象を持たれていないだろう「溜め息」ですが、前々回の「伸び」、前回の「寛ぎ姿勢(寝相)」に続いて、「溜め息」も心身が寛ぐ(緊張を解放する)ための、身体の自然な作用の一つと言えます。

前々回と前回はこちら

雑記73
雑記74

授業では毎度毎度と、寛ぐ姿勢時には、「は~~~やれやれ」とか「ふ~~~やれやれ」と、溜め息が漏れる様にと誘導します。

通常は鼻呼吸を提案していますが、寛ぐ際、とりわけ寛ぎ始めには、口から「は~~~」と声を出したり、息が漏れる様にすることを提案します。

息が漏れる

寛ごうとしている際、息を吐こう吐こうとすると、頑張っている感があり、寛ぐときの爽快さが感じにくく、なかなか寛ぐことができないものです。何かをしようとする努力を手放すことが寛ぐことに繋がるからです。

息を吐く ⇒ 息が漏れる

同様に寛ごうとしている際、力を抜こう抜こうとすると、なかなか寛ぐことができないものです。夜眠りにつくときの様に、力が「抜ける」姿勢作り、それが大切でしょう。

力を抜く ⇒ 力が抜ける

また、ハタ・ヨガの体位をとる際には、力を入れよう入れようとすると無理が起こります。「伸び」をするときの様に、力が「入る」姿勢作り、それが大切でしょう。

力を入れる ⇒ 力が入る

『無理』の対義語は『合理』であり『自然』です。「ただ起こる」ことが自然を体現することと言えます。

ただし、広い意味で言えば、全ての全ては自然です。無理を起こすことですら。

こんな話をしていると、日本最古の歴史書と言われる『古事記』のことが思い出されます。天地の始まりから推古天皇の時代に至るまでの様々な出来事が示されている様ですが、そこには「成る」という言葉が多用されていると。

(神が)世界を創る ⇒ (自ずから)世界が成る

古事記に示されているのは、何かが何かを創る・生むということではなく。自ずから然りと、自ずから成る、という、まさに『自然』という言葉を示していると言えます。

ヨガの道を進む上で、とても役立つ世界観です。


温かいお風呂にでも浸かったなら、「は~~~」なんて、極上の溜め息が漏れるものです。

寒くなったこの季節、ゆっくりお温まり下さい ♨️


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