2019-10-10

腕と背骨の一致の原理(2)

正しい姿勢を一から習う

前々回までに、正しい姿勢の原理原則を一通り習ってきました。今回はレッスン4でお話をした"腕と背骨の一致の原理"に焦点を戻し、それをより進めて習っていきましょう。

腕と背骨の一致の原理はこちら

レッスン4

腕の屈曲と背骨のツナガリに従う

1.内旋形での腕の屈曲と背骨のツナガリ

例えば、内旋形(足先が前方を向いている姿勢)の立位姿勢における片膝を曲げた姿勢を見てみます。

絵図1−1.

片肘を曲げた姿勢1(正面)


絵図2−1.

60%,片肘を曲げた姿勢2(正面)


側面からも見てみます。

絵図1−2.

片肘を曲げた姿勢1(側面)


絵図2−2.

60%,片肘を曲げた姿勢2(側面)


さて、絵図1と2どちらが「正しい姿勢」でしょうか。何十年とハタ・ヨガに取り組んでいようが、指導をしていようが、「全体一致」の原理を発見していない人にとっては、絵図1が正しく、絵図2が誤りと判断することしかできないでしょう。しかしここでは絵図2が無理することなく、身体の機能に従った合理的な姿勢であり、正しい姿勢です。

絵図1は、左肘が曲がるのを邪魔するように、左肘を人為的に固定し、背骨・骨盤を人為的に起立しており、体幹を固めて頑張っているので不快的な姿勢です。一方の絵図2は、左肘が曲がるのに協力するように、主として背骨は自然と前屈し、骨盤は自然と後傾しています。体幹を固めて頑張っていないので快適な姿勢です。

2.基本形での腕の屈曲と背骨のツナガリ

次に、基本形(足先が前外方を向いている姿勢)の立位姿勢における片肘を曲げた姿勢を見てみます。

絵図1−1.

60%,片肘を曲げた姿勢1(正面)


絵図2−1.

60%,片肘を曲げた姿勢2(正面)


側面からも見てみます。

絵図1−2.

60%,片肘を曲げた姿勢1(側面)


絵図2−2.

60%,片肘を曲げた姿勢2(側面)


さて、絵図1と2どちらが正しい姿勢でしょうか。おそらくは、ヨガ指導者を含め、「姿勢」に携わる多くの人たちは、絵図1が正しく、絵図2が誤りと判断することでしょう。何故なら絵図2は、体幹がブレて固定されていないからです。しかしここでは絵図2が無理することなく、身体の機能に従った合理的な姿勢であり、正しい姿勢です。

絵図1は、左肘が曲がるのを邪魔するように、背骨・骨盤を人為的に正面に向けており、体幹を固めて頑張っているので不快的な姿勢です。一方の絵図2は、左肘が曲がるのに協力するように、主として背骨は自然と左捻転し、骨盤は自然と左旋回しています。体幹を固めて頑張っていないので快適な姿勢です。

体幹を固定して頑張っている状態とは、いわゆる「体幹トレーニング」をしている状態です。体幹をリキませて固定するという不自然な身体の使い方をしているから、その使い方をより進展させるためには、「筋トレ」という不自然な行為を身体に強いる必要が生じるのです。

ワンポイント

「肘を曲げる」動作は、「肘を上げる(張る)」や、肘を固定して「手を上げる」などの余計な動作が加わらないように、肘裏の窪みを窪ませるように行いましょう。

肘の曲げ方


次のレッスン

レッスン11