2020-12-31

正しい正座姿勢
膝を痛めないための姿勢

正しい姿勢を一から習う

ここまでのレッスンで、「正しい姿勢」から「正しい歩行」までを一通り習ってきました。今回は、日本人には馴染み深いぶん、無理を持続していると膝の故障につながりかねない「正座姿勢」について習っていきましょう。

1.膝の方向

まずは復習です。レッスン2「脚と骨盤の一致の原理」でお話をしましたように、骨盤を起立させるためには脚の状態に留意する必要があります。次に正坐における内旋形と基本形の絵図を示します。

① 内旋形:骨盤の後傾

内旋形:骨盤の後傾


② 基本形:骨盤の起立

基本形:骨盤の起立


2つは、どちらが正しくどちらが誤りという話ではありません。ただ、内旋形は骨盤が後傾し背骨が前屈し、基本形は骨盤と背骨が起立する姿勢ということです。ですから例えば、腕を前に伸ばしたり背骨の前屈動作をする必要があるときには内旋形が適しているでしょうし、瞑想時のようにジッとして坐る必要があるときには、基本形が適していると言えるでしょう。

2.踵の位置

ここでは基本形で説明をしますが、内旋形でも要領は同じです。

手順

手順①
お尻を上げる

手順②
お尻を下ろす

手順③
上体を起こす

① 手を前方に下ろし、お尻を上げて足を揃えます。② お尻を下ろすと踵が開きます。③ そのまま踵にもたれかからないように上体を起こします。

手順②でお尻を下ろすときに、下のイラストのように「踵の角」はお尻と太腿の境目の中央あたりに触れると思います。また手順③で上体を起こすときに、踵に体重をもたれさせることなく「鼠蹊下」に重みを流します。(鼠蹊下への流しについては、レッスン8「勢力」をご覧ください)

sisei_seiza_draw.png

踵が適正な位置の内側や外側にあったり、鼠蹊下ではなく踵にドスンと体重を乗せていると「膝」や「足首」を痛める要因になり得ます。

また、このとき足先(親指)の内側どうしが軽く触れるぐらいになります。足を重ねて坐ると左右前後のバランスも崩れます。

留意

一般的に親指を重ねるよう指導していることもあるようですが、その方が負担が掛からないようであれば、それが適切なのかもしれません。

何にしても、身体の状態をよく観察しながら、違和感のない形体を調べてみることが大切です。

無駄を取り除いた、無理のない姿勢を修習していきましょう。


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