姿勢と呼吸の一致の原理
前回のレッスンでは、正しい姿勢の原理原則である"全体一致の原理"を踏まえつつ、姿勢のバランスについてのお話をしました。今回はその中でも、"姿勢と呼吸の一致の原理"に焦点を当てて、より詳しく習っていきましょう。
姿勢と呼吸の関係
姿勢の状態は、呼吸の状態にも大きな影響を与えます。そして、呼吸が楽なのか苦なのか、呼吸が深いのか浅いのかなど、呼吸の状態は、心身の状態にも大きな影響を与えています。
姿勢と呼吸の関係1
1.伸びやかな姿勢
2.たるんだ姿勢
3.リキんだ姿勢
姿勢が伸びやかなら、呼吸もまた伸びやかとなり、姿勢がたるんでいるなら、呼吸もまたたるみ、姿勢がリキんでいるなら、呼吸もまたリキ(イキ)みます。
姿勢と呼吸の関係2
1.内旋・前屈形
2.基本・中立形
3.外旋・後屈形
伸びやかな姿勢でも、内旋・前屈形の姿勢では吸いづらく吐きやすくなり、基本形(非旋・中立形)の姿勢では吸いやすく吐きやすくなり、外旋・後屈形の姿勢では吸いやすく吐きづらくなります。
一般的な「山の体位」では、全体一致の原理に反して、脚を内旋させつつ骨盤を起立させ、背骨を中立させています。これでは、息は吸いづらく吐きづらくなり、「なんか息苦しい……」となるだけです。
また、一般的な「猫の体位」と「牛の体位」、いわゆる「キャット&カウ」や、「太陽礼拝」など、「前屈と呼息の一致」「後屈と吸息の一致」という原理に基づいて行われています。しかしながら、その全ては内旋形で行われているため、姿勢は全体一致しきれておらず、姿勢のリキミと呼吸のイキミが起こらざるを得ないのです。
姿勢と呼吸3
もちろん、アンバランスな姿勢では100%リキミが起こるため、イキミもまた100%起こります。次に、解りやすい後屈と後傾で比較してみます。
1.伸びやかな姿勢(後屈)
2.リキんだ姿勢(後傾)
後屈姿勢は快適であるため、呼吸もまた快適になります。後傾姿勢は不快適であるため、呼吸もまた不快適になります。
見るだけでも、しんどく、息苦しい……。
私は、どのような姿勢でも、自由に呼吸を制御することができる。
● 調気(プラーナーヤーマ)
2-49
さて、坐りが調ったところで、調気を行ずる。調気とはあらい呼吸の流れを断ち切ってしまうことである。
佐保田鶴治著『解説ヨーガ・スートラ』 P113 より
姿勢から調えましょう。