禅について


▦ 禅とは

禅(禅宗)は、仏教の一つの宗派であり、宗教です。仏教自体もそうですが、禅とは、<なぜ存在するのか>を「悟る」ための方法です。「禅」という言葉の語源は、古代インド語の「ディアーナ」という言葉で、その音写が、中国語の「禅那(ぜんな)」であるといわれています。その意味は「瞑想」です。禅(瞑想)の方法は、お釈迦様ことガウタマ・シッダールタから、その弟子の摩訶迦葉(マハーカシャップ)へと伝わったようです。(そのときのお話しを「拈華微笑(ねんげみしょう)」といいます。)

禅の方法はその後、摩訶迦葉から何代も受け継がれ……1000年ほどのちのお話し。時は紀元後500年頃のこと、現れたのがボーディダルマ(菩提達磨)。そう、いわゆるダルマさん。達磨大師です。その達磨さんが祖国インドを旅立って、中国に禅の方法を伝えに行きました。そして中国で禅は栄えることになり、多くの宗派ができたようです。日本に伝わった、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗もそれらの一つです。


▦ 拈華微笑

お釈迦様が、王舎城の近くで弟子たちを集めて教えを説いていた、つまり説教していた頃のお話しです。

ある日のこと、お釈迦様は花をひとつ手に持って現れました。弟子たちは、「今日はこれから、何を教えてくださるのだろう?」「あの花が今日のポイントのようだぞ。」などと、お釈迦様の方を見ています。しかし、お釈迦様は花をひとつ手に持ったまま、何を説くでもなく静かにしています。すると弟子たちは、「あれあれ、何も始まらないぞ、どうしてだ?」「さてはあの花で、何かを伝えようとしているのだろうか?」「う~ん、でも一体何を伝えようとしているのだろう?」などと考えています。
そんな中で1人、自分が考えていることを観察している人がいました。そう、その人こそ摩訶迦葉です。「今日はこれから、いったい何を教えてくれるのかなぁ~きっとあの花……」「おっととと、今いったい何を教えてくれるのかを考え始めようとしていたぞ。観察、観察」「でも何のために花を……」「おっと、また花を持っている理由を考えそうになった。ふうっ、観察、観察」「やれやれ、ほんとに思考君は、ほっとくとすぐに走り出すのだから、観察、観察」
そのとき、魔訶迦葉は「AHA!体験」をしたのかもしれません。「あはっ、はははっ、あはははははっ」「そういうことか! そういうことだったのだ!」と。

解説―拈華微笑


▦ 牧牛図

牧牛図とは、禅の修行の道程、つまり悟りまでの進歩具合を絵にして表しているものです。これまでに何人かの禅の和尚さんによって描かれてきたようです。ここでは、宋の時代の廓庵禅師の十牛図を取り上げています。
この絵が、今の自分の進歩具合の確認をする手助けになるかと思います。

尋牛
1.尋牛

見跡
2.見跡

見牛
3.見牛

得牛
4.得牛

牧牛
5.牧牛

騎牛帰家
6.騎牛帰家

忘牛存人
7.忘牛存人

人牛俱志
8.人牛俱志

返本環源
9.返本環源

入廛垂手
10.入廛垂手

解説―十牛図